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(表で解説)保育無償化に伴う値上げと負担増による「逆転現象」について

 

 

 

 

 

保育無償化に伴う値上げと

負担増による「逆転現象」について

 

 

<給食材料費の値上げについて>

 

前提:

・給食材料費 人件費・運営費は含まず、純粋に材料費のみ

・給食費は園によってばらばら、あくまで材料費の実費

 

 

(副食費について)

  • 保育所

・9月まで保育所の3~5歳児の副食費は保育料に含まれていました。

(0~2歳児は主食費、副食費の両方が保育料に含まれています。)

・無償化後は、副食費も実費徴収となります。

 

  • 幼稚園など認定こども園

・無償化後も実費徴収は変わりません。

 

  • 免除制度

・国は、年収360万円未満の世帯と同時入所の第3子以降の副食費を免除する制度を設けています。

(それとは別に自治体独自の副食費免除制度があります。詳しくはコチラ

 

 

<値上げが起きている背景は何か?>

 

 今まで給食材料費を無料や低料金としていた園においては、今回の値上げは仕方ない部分もあるかと思います。

 

 おかずなどの副食費については、第3子以降や年収に応じて免除制度がありますが、ごはんやパンなどの主食費、園用品、行事費、延長保育料が値上げされることで、トータルの負担額が増える可能性があります。

 

 

<便乗値上げがあるのではないか?>

 

 幼稚園については、今回の無償化で(幼稚園児1人当たりが)無料になる上限額いっぱいまでの授業料の値上げや、保護者負担となる設備充実費の値上げをしているケースも見受けられます。

 

 園によっては通期は紙のみで、値上げした授業料や設備充実費について聞いても、「保護者に使い道を教える義務はない」と突っぱねられるケースも聞いており、そういった園には、国や自治体から指導があるようにしてもらいたく思います。

 

 一方で、職員の待遇改善を目的に値上げをしている幼稚園もあり、今回の値上げが職場環境の改善につながり、働きたい人が増えれば、待機児童の問題も和らぐと思います。

 

 

<値上げにより、負担増となる「逆転現象」>

 

・9月まで保育費が無料・低額であった世帯において、主食費、園用品、行事費、延長保育料などを値上げした場合、

 

・第3子であれば保育料を免除してきた自治体において、副食費が新たに追加・増額した園は、世帯収入に関わらず「逆転現象」が起こる可能性があります。

 

 なお、副食費が免除される世帯で、自治体や園との連絡がうまくいかず、「逆転現象」のように感じられるケースが発生していますのでご注意ください。

 

 また、今回の無償化の影響調査を行い、集計結果をコチラにまとめておりますので、よろしければご覧ください。

 

 

<追伸>

 

 今回の無償化で多くの子育て世帯の生活が向上しますが、一方で、待機児童で、働きたくても働けない家庭もあります。

 

 待機児児童の背景には、人材確保の課題があり、待遇や職場環境から、子供が好きでも仕事が続けられない保育士さんも多くいます。

 

 働くママ、ひとり親において保育施設はなくてはならない存在で、保育士さんが仕事を続けられるようにお金を使ってもらえればと思います。

 

 待機児童の問題や、延長保育への無償化に向けて、引き続き、政策要望を行っていきたいと思います。(詳しくはコチラ