保育無償化への対応、
保育士の待遇改善について
内閣府に要望しました
幼児教育・保育の無償化にあたり、全国のひとり親を対象にアンケート調査およびヒアリング調査を行い、幼児教育・保育にかかる問題について、改善を求める声を多く頂戴しており、内閣府にて以下の通り、要望しました。
(追記)今回の要望について、NHKなど各種メディアに取り上げていただきました。(詳しくはコチラ)
令和元年11月18日
内閣府特命大臣(少子化担当大臣)
衛藤 晟一 様
内閣府子ども・子育て本部 参事官
池上 直樹 様
幼児教育・保育の無償化にかかる嘆願
一般社団法人 ひとり親支援協会では、幼児教育・保育の無償化にあたり、全国のひとり親を対象にアンケート調査およびヒアリング調査を行い、今回の無償化について好意的なご意見を多数頂戴しました。
その一方で、幼児教育・保育にかかる問題について、改善を求める声も頂戴しており、以下の通り陳情いたします。
- 便乗値上げへの行政指導の強化
今回の無償化で(幼稚園児1人当たりが)無料になる上限額いっぱいまでの授業料の値上げや、保護者負担となる設備充実費、園用品、行事費等の値上げをしているケースが見受けられます。
説明会を開くなど丁寧に対応している園がある一方で、今回の値上げの通知は紙のみで、園によっては保護者が値上げした授業料や設備充実費の詳細について伺っても、「保護者に使い道を教える義務はない」と突っぱねられるケースもあり、不誠実な園に対し、行政指導を求めます。
- 「逆転現象」への対応
9月まで保育費が無料・低額であった低所得者世帯において、主食費、園用品、行事費、延長保育料などを値上げした場合や、多子世帯の保育料を免除してきた自治体においては、副食費が新たに追加・増額したことで世帯収入に関わらず、トータルの保育料の負担が増える「逆転現象」が発生しています。
今回の無償化で多くの子育て世帯の生活が向上しますが、その一方で、低所得世帯や多子世帯など、本来、経済的な支援が必要な、生活の苦しい家庭にしわ寄せが及んでおり、その改善を求めます。
- 待機児童対策、保育士・幼稚園教諭の待遇改善
働く親において保育施設はなくてはならない存在で、今回、無償化より待機児童の改善、保育士の待遇改善に税金を使って欲しかったという声を多数頂戴しました。
幼児教育・保育の現場は常に人手不足で、休みがとりにくい、休憩がとりにくい、心労に比べて給料が安いなど慢性的な問題を抱えています。
待機児童改善に向けての取り組みや今回の無償化が追い風となり、保育園・幼稚園の施設増設や新設が増えている一方で、待遇や職場環境の問題から、子供が好きでも仕事を続けられない保育士・幼稚園教諭が多くいます。
まずは保育施設で働く方々が安心して仕事を続けられ、潜在保育士(保育士の資格を持っていても、保育士として働いていない人のこと)についても、保育の現場に戻りたいと思える職場づくりが必要です。
依然、待機児童で働きたくても働けない家庭があり、今回の無償化とは直接関係はありませんが、幼児教育・保育に関わる問題として、待機児童への対応および、保育士・幼稚園教諭の職場環境・待遇改善を求めます。
以上
【参考情報】
●(表で解説)保育無償化に伴う値上げと逆転現象(詳細はコチラ)
●アンケート調査がテレビに取り上げられました(詳細はコチラ)
●(緊急実施)保育無償化の影響調査 集計結果(詳細はコチラ)
【陳情の詳細】
日程:2019年11月18日(月)
場所:内閣府
〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
内閣府HP:https://www.cao.go.jp/